八ヶ岳 硫黄岳より Y.takizawa撮影

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創立55周年記念行事

あゆむ山の会 登山活動のリスク管理 2017遭難対策委員長 佐藤 求

   あゆむ山の会では登山のリスク管理を次のように行っています。

 「安全・安心で楽しい登山+登山技術の習得」

「救助活動に時間をかけず、事故防止に時間をかけよう!」

「助けられる立場ではなく、お互いに助け合える立場になろう!」

「連れて行ってもらう登山ではなく、一緒に行く登山の認識をもとう!」
      (自分たちで行きたい所を自分たちで計画していけるようにするために)

※事故防止のために上記「テーマ」を掲げ、下記事項を実施して活動しています。

あゆむ山の会は今年で創立57年を迎えます。57年のうち55年間、山の会の会長として自分の行きたい山をテーマに掲げて活動してきました。55年間の登山活動は95%楽しいばかりでした。5%とは何かと言うと山での遭難事故です。大きな遭難事故が2件。一つは1968(S43)年の2月白毛門山での雪崩事故。もう1件は1981(S56)年2月の甲斐駒ケ岳黄蓮谷の雪崩事故です。当時は山岳保険と言うものがなかったのか入ってはいませんでした。救助活動も今と違って仲間のボランティア活動で行ってきました。ヘリコプターなども警察、消防にはなく頼みは自衛隊のヘリコプターでした。

大きな事故はこの2件ですがその後も中、小の事故は発生していました。

企業では「一つの重大事故の背景には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在する」と唱えたハインリッヒの法則。昔の工場の入り口には大きく1:29:300と書かれて掲示されていました。今思うとこのハインリッヒの法則は労働災害の考え方が書かれていたのです。

このようなことを踏まえて、あゆむ山の会では、会活動の目標に「安全・安心で楽しい登山+登山技術の習得」を掲げています。

会ではより多くの会員が自分たちの行きたい所へ、自分たちで計画を立てて実行できることも目標の一つに掲げています。

そのため「連れて行ってもらう登山ではなく、一緒に行く登山の認識をもとう!」(自分たちで行きたい所を自分たちで計画して行けるようになろう!)。それに伴い個人山行も多くなってきます。

 四季の四合宿、各種講習会を開催して技術面のレベルアップも図っています。
ただ会活動が盛況になり山行日数が増えることでリスクも当然ついてきます。そのリスク管理も必要になってきます。

                           〔年間山行日数の推移〕

年度 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29
山行回数 159 188 189 181 154 196 246 287 304 334 383
山行日数 697.5 827 888.5 770 715.5 792 930.5 1228.5 1360 1342 1544

  登山のリスクはゼロにすることはできません。ゼロ近づけることはできます。
 
 
事故の原因は、登山中の危機意識(注意力)が途切れた時、会活動でも組織の危機意識が途切れた時に発生します。家の中では安心感が勝り少しの段差でつまずきますが、登山道はどこもかしこもつまずきやすい状態のため、常に危機意識(注意力)を継続することが出来ます。そのためつまずいて転落することなく山行が出来ます。

登山活動中、会活動中リスク管理の危機意識をいかに途切れずに継続して行くかにかかってきます。

会では事故防止のために「遭難救助活動に時間をかけるより、故防止に時間をかけよう!」をテーマに掲げて活動しています。

では具体的にはどのようにしているか次に掲げていきます。


〔事故防止の啓蒙活動〕事故が起きる前にやるべきこと!

まず山に行きたくなったら、日本山岳協会山岳共済に加入して

1.個人山行の手引き」に沿って計画します。 資料 ①

2.「計画書」の提出(計画書受付係・留守宅担当者・リーダー部員遭難対策委員長) 資料 ②-a

計画書はリーダー部員、留守宅、計画書受付係。遭難対策委員長に原本をメール添付で提出します。計画書受付係に提出したものを一覧表にして会員にメール添付で送ります。このことで会員の動きを皆で把握することができます。

計画に無理がある場合はリーダー部より注意、修正または中止勧告が出ます。

平成29年度から今までの計画書にひと工夫して次の項目を加えました。

計画書作成段階で

 【コース、ルート上の注意点および最新の情報】の記入欄の作成。

 ②【雪崩対策】天候判断、積雪量、ビーコン携帯・弱層テスト・ルート確認の記入欄の作成。

計画内容の注意喚起を自己に促すために、これらを事前に書ける範囲で記入しておきます。

計画書の管理は企画会委員長と遭難対策委員長が管理し、事故などで所轄警察署よりの問い合わせに対応します。

3.「報告書」の提出(記録係・遭難対策委員長) 資料 ②-b

報告書は会記録用として用いてきましたが、他の会員の計画の参考と事故防止につなげる工夫にならないかとの意見にもとづき、①②の記入欄を設け遭難対策委員長が整理して出来るだけ早くメール添付で会員に送り現在の情報を提供しています。
①【コース、ルート上の注意点および最新の情報】の記入欄の作成。

②【雪崩対策】雪崩注意報、天候判断、積雪量、ブロック雪崩、ビーコン携帯・弱層テスト・ルート確認  

③あゆむ山の会会員山行報告書【コース、ルート上の注意点および最新の情報】より 資料⑥

4.「留守宅の設定」(山行計画書の下山確認担当)
      例会で2カ月先までの「留守宅担当者」を決める。 資料 ③

5.下山をしたら下山報告を「下山報告専用電話」に無事下山したことを入れる。

6.「下山報告専用電話の使い方」
      (下山報告の確認、留守宅担当者の下山確認マニアル) 資料 ④

7.「留守宅からの連絡マニアル」

  (留守宅担当者が下山の確認が出来ない時のマニアル) 資料 ⑤

8.「山岳共済の加入」 資料 作成中

9.「共同装備、個人装備チェック表」 資料 ⑦-ab

10.山のヒャリハット報告「山のKYT」

改訂版 通常用「山のKYT(ヒャリハット)報告書」原紙 資料 ⑧-a

臨時用「山のKYT(ヒャリハット報告書)原紙 資料 ⑧-b
      (危険()、予知()、トレーニング()。山の危険予知トレーニングを例会で行う。

登山の事故は会活動で、会員各自で危機意識(注意力)が薄れてくると事故につながります。そのため山の危険予知と山での危機意識向上のために、事故には至らないまでも危ない思いをした、危ない場面を見た、危ない話を聞いた、事故防止に関する記事を新聞で、テレビでみた、登山誌で読んだ。たとえば御嶽山噴火事故・那須岳雪崩事故・阿弥陀岳南稜事故などこれは他の会員にも気を付けた方が事故防止になる。と言うことを毎月第一例会で30分、例会時皆で話し合います。

「山のKYT」は時間の都合上、議題、資料等は事前にメールで配信し各自読んで理解してもらい、例会で全員一言発言をしてもらいます。

 「山のKYT」は、事故の原因究明ではなく事故に関心を持つために思ったことを発言してもらいます。

話の内容を整理して、会ではこのように対応することを記入して再度会員にメールで送ります。

11.あゆむ山の会車利用打ち合わせ事項(山行時の自動車事故防止) 資料 ⑨
       車での山行が多くなるため事故防止と車の利用方法を決めています。

12.全国警察本部山岳救助隊および登山計画書送付先一覧表 資料 23

13.「季刊報原稿の書き方」 資料-22

14.例会時の「山行報告はルート図を書いて」行おう!
     あまり聞きなれない山やバリエーション的な山はわからない会員もいるため、カレンダーの裏などにルート図を描いて説明すると皆が集中して聞く。

15.会山行(四季の合宿)「合宿打合せ会」を1か月前に行い合宿の趣旨を話し合い理解する。


〔事故防止の具体的活動内容〕

1.各種講習会
「安全・安心で楽しい登山+登山技術の習得」
 各種講習会に参加することで登山技術を習得し事故防止につなげていきます。講習会は自分のジャンルに合わせて参加し、自分の行きたい所を選択します。
なお、講習会に参加することなく雪山、ロープを使う山行、沢登りなど系列の会山行、個人山行は参加できません。
又月例登山クラブ員対象の講習会も実施しています。

会主催各種講習会・研修会&体験会 (指導は日本スポーツ協会 上級指導員・指導員・コーチと日本山岳ガイド協会認定 上級登攀ガイド)

新雪・残雪期の雪上講習会 春・秋の岩登り講習会 沢登り講習会 渡渉講習会

雪洞講習会 ラッセル講習会 アイゼン登攀講習会 アイスクライミング講習会

雪洞・ビーコン講習会・山スキー講習会 地図読み講習会 ⑾冬山入門講習会

リーダー研修会 岩場システム研修会 岩場体験研修会

非常装備体験会山行
(
会山行、特に個人山行においては非常装備を持っての山行を奨励しています。非常用装備は使わないことがほとんどです。そのため非常装備を使う山行を月例登山のテーマに掲げて行います。
ナイトハイキングでヘットランプを使う山行、ツエルト宿泊体験、補助ロープをつかう山行、非常食を食べる山行など)

 埼玉県山岳連盟・さいたまし市山岳連盟主催各種講習会・研修会

 緊急避難講習会・研修会(雪洞講習会)

 登攀講習会・研修会

 積雪期登山講習会・研修会

 冬山遭難防止講習会・研修会(応急処置・搬出など)

   ⑸レスキュー講習会(セルフレスキュー、チームレスキュー)

「助けられる立場ではなく、お互いに助け合える立場になろう!」

何かあったら誰かが助けてくれるだろうと言うことなく、何かあったらお互いに助け合えるようになろう!と言うことで、県岳連主催の冬山遭難防止講習会(応急処置・搬出など)には特に参加を奨励しています。

例登山クラブ指針(月例登山の手引き) 資料 

山の会ではオールラウンドに活動していますが、「連れて行ってもらう登山ではなく、一緒に行く登山」のために、月例登山クラブを設け毎月一回テーマを決めて、リーダー経験をしてもらう場として、月例登山クラブを設けて活動しています。
 リーダー経験を行うことで登山の楽しさを学ぶとともにリスクも学ぶ、また自分たちの行きたい所へ自分たちで計画してけるようにするのが目的です。
 月例登山は「月例登山の手引き」に沿って毎回テーマを設けテーマに沿った山行内容にしてレベルアップを図っています。
月例登山にはリーダー部員または中、上級者が指導員として参加するようにしています。指導員は月例リーダーが山行中解らない事があれば相談しながら行動します。(「月例登山の手引き」に沿って行う)
「月例用補助ロープの使い方マニアル」
資料 28 により補助ロープの正しい使い方を学びます。

3.百名山クラブ方針
   (100名山登山の事故防止と安価、効率よく登る方法) 資料 ⑪
   深田久弥の日本100名山と言え場所によっては、天候によっては危険を伴う山もあります。 

その他の事故防止の実践活動

 ①レベルアップ山行(一定のレベルに達した会員が参加する。)

 ②講習会前の例会でリーダー部員による基礎講習をおこなう


〔事故発生時の具体的活動マニアル〕

登山中に道に迷ったらどうすればよいのか、怪我をしたらどうしょう、仲間が会員が遭難したと会に連絡が来たら会はどのように対応すれば、どこから手を付けていけばよいのかと、関心を持つことで事故防止への手掛かりとなれば、いざという時に慌てずに行動できることになります。関心を持つことで各自、事故防止へワンステップ進むことができます。

事故防止活動を行っていても、事故は絶対起きないと言う保証はありません。起きたらどうするかと言うことも皆で考えて、事故防止につなげていきます。

具体的にはマニアルを作成してスムーズな救助活動が出来るようにしています。

1.事故報告書の提出(事故報告書&発生の原因と対策) 資料 ⑫

 事故が発生した時にリーダーが事故報告書を作成提出、これを基に原因と対策を立てて季刊報に掲載し全会員に知らしめる。

2.山行時における遭難発生チャート図(山行時、事故発生した場合の全体の流れを表したもの) 資料 

3.非常時連絡カード(救助要請を口頭で行うと行き違いなどがあるため、記入用紙に必要事項を記入し要請する。自分たちのひかに半券を取って置く) 資料 ⑭

4.分が行動不能になった時の対応(山行中、自分が行動不能になった時のマニアル) 資料 ⑮

5.仲間が行動不能になった時の対応(山行中、仲間が行動不能になった時のマニアル) 資料 ⑯

6.路に迷ったかなと思った時の対応(山行中、道に迷った時のマニアル) 資料 ⑰

7.遭難事故パーティが現地で行うこと(まず当事者パーティは何を行えばよいのか、救助要請をどのように行えばよいのか、救助隊が来るまで何を行えばよいか、救助隊が来た時に何を行えばよいのか、救助ヘリコプターに対するマニアル、救助終了後に残ったパーティが行うことなど) 資料 ⑱

8.あゆむ山の会救助捜索マニアル(救助隊の捜索方法)  資料 ⑲

9.あゆむ山の会遭難対策本部マニアル(遭難救助要請受付から救助活動、収集までの手順書)  資料 ⑳

10.あゆむ山の会現地遭難対策本部マニアル(現地対策本部の活動手順) 資料 21

11.日本山岳協会山岳共済について(山岳共済の必要性と取扱) 資料 作成中

12.あゆむ山の会遭難対策資金について(会遭難対策資金の必要性と取扱) 資料 作成中

13.その他参考資料

20170606 あゆむ山の会 遭難救助要請詳細 資料 26

20170606 全国警察本部山岳救助隊および登山計画書送付先一覧 資料 23

20170606 都 道 府 県 山 岳 遭 難 対 策 協 議 会 一 覧 資料 24

2017年度の埼玉県内の山岳遭難事故状況 資料 25

20140905 フォースト・ビバーク 資料 27


※現在各資料にはリンクしていません。

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